クルマ人生

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「珍しいクルマですよね。」

隣りに駐車されていた、くたびれたクラウンから
ご老人が降りてきて、声を掛けられた。


日曜日の夕方-。
生活品の買い出しのため、近所のスーパーやらデパートを
何件かハシゴしていました。

道路は渋滞しているし、どの店も混雑している。
このスーパーも混んでるなあ、なんて
ちょっとイラつきながら、駐車場のいちばん隅に車を停めました。

買い物を済ませて、車に戻ったところ、
高齢者マークが貼られたクラウンから、
ご老人が降りてきた。

「どこのメーカーですか?、国産車?」

そう聞かれることは、しばしばありました。

でもそのご老人は、カプチーノのことを知っていて、
わたしが戻ってくるのを待って
声を掛けたらしい。

「このクラウンがもうすぐ車検でしてね。
もう20年乗ったので廃車にしようと。
で、女房はこれを機に運転も止めろって言うんです。」

「でも、足がないのは困るし、
小さな車なら、まだなんとか運転できるかと思いましてね。
そしたら、街でこの車を見かけてですね、
いいスタイルだなあと思いまして。」

「このまえ、中古車屋で1台見つけたんですけど、
迷っているうちに、すぐ売れちゃったみたいで。」

お話を伺うと、86歳とのこと。

「だからですねえ、もう長くは乗れないので、
1年か2年、乗れればいいんです。」


「女房を乗せて、あと荷物がちょっと積めれば。」


なんてカッコいいんだろう。
ご高齢でありながら、
奥様と小さなオープンカーでお買いもの-。

いやむしろ、ご高齢であるからこそ
こういうクルマが似合うんじゃなかろうか。

わたしは、ぜひとも、そうして欲しくて、
車内やら、トランクスペースの広さをお見せして、
乗り心地やら、たのしさやら、
カプチーノ専門ショップのこともお話しさせて
いただきました。


「じゃあ、そのショップを、こう、ワープロで調べれば、見つかりますかね。」

おそらく、インターネットのことだろう。


「それじゃあ、どうも、おじゃまをしました。」

そう言って別れたあと、
バックミラーにはずっとそのお姿が映っていました。






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この記事へのコメント

2013年07月16日 13:00
確かにそのご高齢の方はステキですね。
とういさんも愛車とともに良い日曜日の夕方になりましたね。
とうい
2013年07月17日 00:13
こすみんさま

ええ、わたしもとてもいいお話しが出来て
たのしかったです。
ただ、ひとつ、はっとしたのが、
この車はほとんどマニュアル車しか残っていなくて。
そのことを話した時、一瞬お互いに顔を見合わせて
「大丈夫かな・・・運転」て雰囲気になりました。

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